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『グッバイボーイズ』(Goobye Boys)

バーナード・チョーリー監督作品、2005年、88分、マレー語・英語
地方都市イポーに暮らし、中等教育修了試験を控えた8人の少年は、キング・スカウトになるために、5日間で100kmの距離を歩いて往復する旅に出発した。幾多の試練に出遭う中で、8人の間には、衝突、猜疑、裏切り、信頼など様々な関係が生じる。8人は果たして無事に旅を終えられるのか?

『ダンシングベル』(Chalanggai)


ディーパック・K・メノン監督作品、2007年作品、98分、タミル語・マレー語・華語・英語。
11歳のウマはインド舞踊に憧れるが、彼女の家にはレッスン代を出す余裕はない。家計を支えるのは、ジャスミンの花売りの母親と、ドロップアウトして洗車屋でバイトする17歳の兄。家庭を放棄し問題ばかり持ち込む父親は、母親に出入り禁止にされているが、時々家族とのつながりを持とうと試みては、トラブルを招いてしまう。都市部のインド人の貧困と家族の問題、夢と希望を描く。

『グブラ』(Gubra) 

2005年、115分、マレー語・英語・広東語
『細い目』の7年後。広告代理店に勤めるマレー人アリフと結婚生活を送るオーキッド。父アタンの入院をきっかけにジェイソンの兄アランと出会う。同じ町の別の一角では、家族のために身体を張って金を稼ぐ女たちを高利貸しに追われる男が襲う。約束を守った男だけが「父親」になれる。見どころはアランに導かれたオーキッドの「結婚」。

『ムクシン』(Mukhsin)

2006年、90分、マレー語・英語
『細い目』の7年前。オーキッドは「女の子らしく」が嫌いな小学生。学校の休暇中に田舎にやってきた12歳のムクシンと出会い、友情と恋のはざまで揺れ動く。英国帰りで「マレー人らしく」にとらわれない母イノムと父アタン。家庭の外ではコミュニティの決めごとにあわせる工夫が必要で、それができなければコミュニティにいられなくなる。

『ムアラフ 改心』(Muallaf)

2007年、87分、マレー語・英語
カトリック学校で教えるキリスト教徒のブライアンは、子ども時代に心の傷を抱えて信仰と家族から遠ざかっている。イスラム教徒のロハニとロハナの姉妹は父親の虐待から逃げて暮らしている。姉妹との付き合いのなかで、ブライアンは信仰と家族に対して閉ざしていた心を開き始める。宗教が違ってももとの教えは同じで、それを育てるのは家庭。

​『タレンタイム』(Talentime) 

2009年、129分、マレー語・英語・タミル語
高校生が音楽や演劇の才能を競いあうタレンタイム。決勝に残ったメルー、カーホウ、ハフィズ、そしてメルーの送迎担当のマヘシュは、それぞれ恋人や家族との関係で1人で抱えきれないほどの大きな困難を抱えたままタレンタイムの決勝当日を迎える。人はみな輝きを秘めているが、輝くかどうかを決めるのは自分ではない。

『心の魔』(At the End of Daybreak/心魔)


ホー・ユーハン監督作品、2009年、93分、華語・広東語。
23歳のタックチャイは、15歳の高校生インと付き合っている。2人が性的な関係にもあることを知ったインの両親は、タックチャイの母親に、タックチャイを強姦で訴えると迫る。離婚して女手一つで雑貨屋を切り盛りする母親は、何としても息子を守ろうとするが、うまくいかない。タックチャイはインに、両親を説得するよう求めるがそれも功を奏さず、歯車が少しずつ狂い始めていく。​

『細い目』(Sepet)

2004年、104分、マレー語・英語・広東語
中等教育修了試験を終えて大学進学の結果発表を待っているマレー人少女のオーキッド。成績優秀でも進学できず、屋台で海賊版CDを売る華人少年のジェイソン。民族が異なる2人が市場で出会い、恋に落ちる。男と女、雇い主と雇われた人などのさまざまな権力関係を逆転させて、今ここにない「もう1つのマレーシア」を美しく描く。2005年東京国際映画祭最優秀アジア映画賞。

Film

ヤスミン・アフマドの世界

東南アジア華人の生き方

『レインドッグ』(Rain Dogs/太陽雨)


ホー・ユーハン監督作品、2006年、94分、広東語・華語
田舎で母親と2人で暮らすトンは、中等教育修了試験を終えて結果通知を待つあいだ、首都クアラルンプールで働く兄のホンを訪ねる。母親に男の影を感じるトンは、実家に戻るよう兄に求めるが…。出会いや別れを通じてトンが少年から大人になっていく様子を描く。

『鳥屋』(The Bird House)


クー・エンヨウ監督作品、2006年、97分、華語・福建語
古都マラッカにある古いだけが取り柄の民家。シンガポールから久しぶりに戻ってきた兄は、地元で暮らしてきた弟とそりが合わない。兄は家を骨董品屋にしようと考え、家をツバメの繁殖場にしようとする弟と対立する。世界遺産の町マラッカの街並みを美しく描いた作品。

『セルアウト!』(Sell Out!)


ヨー・ジュンハン監督作品、2008年、110分、英語・華語・広東語。
金儲けを社是とするFonyグループで、不条理な要求ばかり突き付ける幹部、死ぬ間際の人をインタビューする番組司会者のラフレシア、超多機能大豆加工マシンを開発するエリックを中心に展開されるブラック・コメディ。盛りだくさんのネタで社会を風刺するが、全体を貫く中心的なテーマは「コピー」と「オリジナル」。

『空を飛びたい盲目のブタ』(Babi Buta Yang Ingin Terbang)


エドウィン監督作品、2008年、77分、インドネシア語。
インドネシア華人のリンダは、盲目の歯科医の父親と、バドミントン選手の姉と暮らす。リンダは「爆竹を食べる美女」としてテレビ番組に登場し、小学生の時に離れ離れになった華人少年チャヨノとの再会を果たす。父親はある日、イスラム教に改宗すると言い出す。インドネシアでマイノリティとして生きる華人の苦悩と、家系の継承を何よりも重視する華人社会の秩序に縛られる華人の苦悩を描く。

『シンガポール・ドリーミング』(Singapore Dreaming/美満人生)


コリン・ゴー&ウー・イェンイェン監督作品、2006年、105分、華語・英語・福建語
古い公団の小さな部屋に住むロー一家。苦労して金を工面し、アメリカに留学させていた息子センが帰って来た。父親は宝くじを当て、大金を手にした。ロー家の人びと―父、母、妊娠中の長女夫婦、センとセンのフィアンセ―の前途は、限りなく明るいものに見えたが…。シンガポール人が追い求める「成功」を、温かく鋭く見つめる作品。

映画で知るマレーシア

『ゴールと口紅』(Gol dan Gincu)


バーナード・チョーリー監督作品、2005年、100分、マレー語・英語
ピンク大好きでファッションにしか興味がないプトリ。恋人はサッカー選手のエディ。プトリはエディに献身的に尽くして幸せを感じていたが、フットサルの女子チームのキャプテンであるシャシャにエディを取られてしまう。エディを取り返すためにフットサルのチームを作り、大会での優勝を目指すが…。

『砂利の道』(Chemman Chaalai)


ディーパック・K・メノン監督作品、2005年作品、92分、タミル語・マレー語・華語・英語。
1960年代のマレーシアで、ゴム・プランテーションの労働者として生計を立てるあるインド人一家の物語。二女のシャンタは大学進学を目指すが、彼女の家では進学に必要な費用を用立てるのが困難だ。シャンタは夢を叶えることができるのか?インド系である監督が、自分の母親の話をもとに、インド系マレーシア人のルーツを見つめた作品。

〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46
京都大学地域研究統合情報センター 山本博之研究室

マレーシア映画文化研究会

Research on Film & Society of Malaysia
 代表:山本博之(京都大学)
 幹事:篠崎香織(北九州市立大学)

電話:075-753-9613(水・金曜 10:00-16:00 担当:引地)

Eメール:malaysianfilm [at] cias.kyoto-u.ac.jp

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